闇の誕生

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闇の誕生

 セレブリティアの民に何を教え、どう導くべきか。 そう考えた時、ラヨーナは見たくないセレブリティア政府の人間と、話したくなくても会話しなければならないことに気が付いた。直接話すと、きっと病みの力が暴走してしまう。 それでもセレブリティア国王を説得する方法はないかと模索する。病みの力を使って。その結果、思い付いたのが、見たくないものはかお文字が変わりに見る。話したくない相手とはかお文字が変わりに会話をするようにすれば、セレブリティアの国王を説得出来るかもしれない。 ラヨーナは決意した。かお文字の怪物の目と口をコントロールするために、自らの光と喉を代償に支払うことを。  「お嬢ちゃん、本当に良いのか? 何も見えないし、話せなくなるんだぞ」  ギルガメットは、かお文字の怪物と向き合うラヨーナの意志を確めた。一度生け贄に捧げたものは二度と返ってこない。ラヨーナは黙って頷いた。  「あなたは、こんなことをする年ではないんですが、本当に後悔はしませんか?」
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