奔流

2/12
230人が本棚に入れています
本棚に追加
/49ページ
〝こうくん〟  頼りなげで甘えた声が、記憶の中で揺れている。  小さな手が伸びて、自分を掴む。 『もう、ケンカしちゃダメだよ?』  見上げる瞳は黒く大きく、つぶらで真っ直ぐで、鼻先を微かに掠めた香りは、甘かった。
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!