別離の時

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 滉を受け止めると覚悟した自らの決意を思い出したのだ。  滉のどんな行為も受けると、決めたのだ。 滉との決別の為に。  全てを受け止めて、許さなければ、別れられない。 滉は、今拒んでも納得はしない。  唇を引き結んだ美夕は嬌声を堪える。  どんなに抱いても、あなたのものにはなれない。 その意思を示す事でしか、滉との別離は有り得ない。  襲い来る悦楽の波を、美夕は首を振り堪えた。 「美夕……!」 「ーーっ」  滉の激しい動きの後、美夕のナカで生温いものが一気に拡がる感触があった。 「あ、ああ……」  吐息を漏らしグッタリとした美夕を滉は背後から抱き締め、呟いた。 「俺は、兄貴じゃねえ」  美夕の顔を後ろを向かせ、滉は唇を重ねた。  何も言わなかったが、最後のキスだと美夕は分かった。  ごめんなさい、滉君、ごめんなさい。
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