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どれくらいの時間が経ったのだろう。僕はやっとあと10箱までプレゼントを処理し終えた。無心でたたみ続けていたら、時間の流れもわからなくなってしまった。時計を見ると、午後11時を回っていた。もうクリスマスになってしまいそうだ。急いで作業を再開させようとした時、ドアが開き、聖夜さんが白いトートバッグを持って入ってきた。お互いに軽く「お疲れ様です」と言い合う。聖夜さんはハンガーラックにトートバッグを掛けると、棚の間を縦横無尽に歩き回った。戻ってくると、次々と商品を「よいしょっ」と言いながらトートバッグに放り込んでいく。僕も彼女を気にしつつ、先程セットしたファーコートをステンレスパイプのついている場所へ持っていく。パイプに掛けようとした途端、バチバチッと凄まじい痛みが指先に伝わってきた。静電気だ。夏はまだ良かったが、冬になってニットを着る機会が多くなったことで毎回この現象が起きる。
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