六月二十五日(火)

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六月二十五日(火)

 気がつけば夏至が過ぎてしまった。これから日が短くなる一方と思うと、今から物哀しくなる。私はやっぱり、冬より夏の方が好きだ。  歯医者で治療を受けた後、塗られた薬の味が未だに残っていて、なんだか口内で象でも飼っているような、ヘンな気分になる。  我ながらおかしな例えだとは思うが、本当にあの巨大な灰色の動物を連想させる味なのだから仕方がない。  応募用小説は70,000字オーバー。これだけ長くなるのだから、いっそ落選したら別の賞(最低71,400字。門戸はより狭くなるが、受賞時のリターンは遥かに大きい)にも応募してみようかと、今から考え始めている。言ってみれば、「取らぬ狸の皮算用」の逆パターンだな。  久しぶりに書店に行き、本を一冊買う。恩田陸先生の『黒と茶の幻想』の上巻。  何気に今年に入って初めて読む、恩田先生の小説である……とはいっても、『六番目の小夜子』や『球形の季節』はちょいちょい再読してるんだけどね。  映画が公開される前に『蜜蜂と遠雷』は読んでおきたいなぁ。
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