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これって、おとぎ話にあった「金の斧と銀の斧」だろ?
うろ覚えだが、たしか正直に自分の斧を選んだら、後で金の斧も銀の斧もくれるんじゃなかったっけ?
俺は独り言をぶつぶつ言いながら、思案していた。
「ちょっと…あなた今、よからぬことを考えてない?」
ふてくされて、女神が言った。
「たった今、自分が落とした斧くらい、数秒で答えなさいよ!」
俺は自分の心中を言い当てられ、どぎまぎしながら答えた。
「す…すいません!
俺、その古びてぼろぼろで、今にも壊れそうな斧を落としました!」
「…くっさいが抜けたわよ」
「あぁ…古びてぼろぼろで、今にも壊れそうな、くっさい斧です…」
もう女神に翻弄されている俺がいた…。
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