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「じゃぁ私から!牛って10回言って!」
お、先制攻撃解きやがった!受けて立ってやる!落ち着けば大丈夫だ!
「ウシウシウシウシウシウシウシウシウシウシ!」
指で数えながら確認する。
「赤信号を通っていいのは?」
「信号無… 」
あいつの顔がニヤける・・・。
「…視してもOKな緊急車両!」
「チッ!正解。」
女が舌打ちするな!顔とのギャップがでかいわ!
「今度は俺だな。」
「こい!」
こいつ目がマジだ。
教わった秘策は二つ!それにかかればたとえ動じ難いこいつでもきっと間違うはずだ!
秘策その1!
「10回じゃなくて100回言ってくれ!」
「100回?!」
「どうした、怖気たか。」
「いいわよ?100回言おうじゃない。」
乗ったな馬鹿め!
そして秘策その2!
こちらが早くしゃべる事で相手にその速度をすりこませ、あるいは煽る事でインプリントを強化する!
そして問題もそいつが考えてくれたのだ!
「いくぞ、『知ってらぁい!』を100回言え!」
「シッテラァイ シッテラァイ…」
「遅い!もっと早く!」
一瞬不満な顔を浮かべたがそれでもちゃんとやるのがこいつの素直で良い所だ。
「シッテラァイシッテラァイシッテラァイシッテラァイシッテラァイシッテラァイシッテラァイシッテラァイシッテラァイシッテラァイ…」
フフフ… そして問題はこうだ、『強引にカバンを盗む犯罪は?』答えはひったくりだ!こいつは間違いなくかっぱらいと言うだろう!
「シッテラァイシッテラァイシッテラァイシッテラァイシッテラァイシッテラァイシッテラァイシッテラァイシッテラァイシッテラァイ…」
指を折りながら数えていた彼女だが、なんだか様子がおかしくなってきた。声がだんだん小さくなり、なんだか俯いていないか?
そして何でこいつ…顔赤くしているんだ…?
俺がいぶかしんでいると100回言う前についに黙ってしまった。
「おいどうした。」
「ばか… もぅ サイテ―。」
「ばかとはなんだ!最後までやれよ!」
「知らない!」
叫ぶなり身をひるがえして帰ってしまった。
「あいつの攻撃って、見えないんだよなぁ…。」
漫画みたいな手跡を頬に刻んだまま俺は自分でそのクイズをやってみた。
・・・
顔がほてって来た。
あんのやろぉ!何てクイズを吹きこみやがった!
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