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築山くんはすこしパソコンのキーボードをみるように俯いてから言葉をつないだ。
「大塚に、好きだって伝えるんだって決めて
事務所に戻ったら大塚がいて。
ちょっとだけ、資料確認って嘘ついてしまった。」
「……築山くん直帰」
「直帰だったのは、ほんとう。」
かあーっと赤くなる築山くん。こんな築山くんみるの初めて。
「大塚帰ってるだろうなって思ってたから」
「作業があったから………築山くん好きって」
「………異性として」
「…異性?」
「大塚に惚れてる。」
「………………………それってつまり、」
「…つまり、大塚となると。俺はずっと理性我慢してる」
「……り」
「ずっと我慢して。耐えてる」
「…築山くんキスって甘いのかな?」
「は?」
ポカーンと口が塞がらないでいる築山くん。
「……だって言うじゃない?好きな人同士がキスしたら甘いって」
「…大塚はキスしたことある?」
「ないよ。」
わたしは、中学生からずっと人と関わることが苦手だった。だから高校のときは女子校だったし。出会いが少ない方だ。
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