001-階段

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001-階段

 気がつくと、私は階段の上に立っていた。  あれ、なんだろここ、知ってるような、知らないような。どうしてここに。テレポート?  10階分はあろうかという高さのビルの、外階段で風に吹かれる。とりあえず、助かった、の、かな?  目の前の階段を降りようとしたそのとき、不意に背後に気配がした。  肘か、肩か。固いものが私の背骨を押す。  踏み出そうとしていた足は空を切って、前傾していく私は今再び命の危機を感じていた。  ひゃくっ。
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