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君に会いたい
僕は未だに待っている。君が帰ってくるのを。未だに夢に出る。君の眩しいほど輝いていた笑顔が。君はもういない。帰ってこない。分かってはいるんだけどさ。未だに信じられないんだ。
僕はあの日の昼下がりのことを思い出してい
た。あのときの、幸せな空間と、そのあとの絶望のこと。
ある日の昼下がり、僕と君は部屋で1億円の使い道について話していたんだ。君は買い物に出かけた。僕は君の帰りを待っていた。いまでもずっと待っている。
あの日から僕はずっと考えていたんだ。ちゃんとあのとき君に伝えればよかった。旅行も結婚も家も食べ物も、全部君のアイデアだったよね。僕も気付いたんだ。1億円あったら、なにに使うか。
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