君に会いたい

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  *  僕は待った。ひたすら待っていた。君は帰ってこなかった。もう君が出かけてから2時間。買い物にしては長い気がする。  僕は我慢出来なくて電話をかけた。  プルルルー…  ガチャッ  君は意外にも1コール目で出た。 「もしもーし」  僕はのんびりした口調で声をかけた。 「もしもし!」  電話の相手は、君じゃなかった。誰だこいつ。 「彼氏さんですか!?彼女さんが病院に運ばれました。体は傷だらけ、頭を強く打って出血が多い状況です。今すぐ都立病院にきてください。命の無事がまだ確認できていない状況です…。」 「は?」  電話の声はそう言った。僕は急にそんなこと言われて、言葉が出てこなかった。というか、信じられなかった。 「携帯電話のロックが解除できず、知り合いの方々へどう連絡をしていいのか分からなかったんです。あなたからお電話をいただけて、助かりました。」  僕は受け入れられなかった。信じてなどいなかった。  だってさっきまで一緒にいたじゃないか。一緒に笑ってたじゃないか。またすぐに帰ってきて、1億円の話の続きをするんだ。嘘だ、嘘だ、嘘だ!やめてくれ。僕から彼女を奪わないでくれ。なぁ、お願いだからさ。  とりあえず僕は急いでタクシーを呼んだ。 「どちらまで?」 「至急、都立病院まで!飛ばしてください!」  僕は焦っていた。  何となくなんだけどさ、すごく嫌な予感がしたんだ。
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