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家を買おうか
「でも結婚したら、新居に住みたいよね」
君は僕をつつくのをやめてそう言った。
「たしかにそうだね」
僕も同意した。
「ここ家賃いくらだっけ?」
「6万5千円」
「1億あれば、月6万5千円のアパートよりはいいとこ住めるよね?」
君はそう言った。シルクのように透き通った笑顔だった。
「そりゃそうでしょ。余裕だよ余裕」
僕は笑ってそう言った。
「だだっ広いリビングがあって、それぞれの部屋があって、趣味用の部屋があって、おっきいキッチンもあって、寝室もある、そんな家に住みたいな!」
君は上を見上げ理想の家を想像していた。たしかにそんな家、かなり魅力的だ。住めたら最高に幸せだ。
「それめっちゃいいね」
「でしょでしょー?あと、執事とか雇いたい!」
君はそんなアホらしいことをたまに言う。君のそういうとこもたまらなく愛しい。
「え、執事は要らないかな」
僕は笑いながらそう言った。
「えーっ!いいと思うんだけどなぁ」
君は残念そうな顔をした。
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