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「あ、じゃあ料理人とかは?専属コックさん雇おうよ!」
君はまたバカげた提案をしてきた。僕は君の手料理の方が食べたい。
「いや、要らないよ」
僕はまた笑いながらそう言った。
「うーん、確かにそれだと1億じゃ足りないかな。あ、あとペット飼いたいよね?」
君は突然思い出したかのように言った。
「あ、猫飼いたいわ」
僕は猫が好きだ。君の次に好きだ。
「えー?私犬派なんだけどなぁ」
君は不満そうな顔でそう言った。僕は犬が嫌いだ。やきもちを妬いてしまうから嫌いだ。
「そしたらさ、どっちも飼っちゃおうよ」
僕は案を出した。二人の納得する妥協案だった。
「あ、そうしよそうしよー!」
君は嬉しそうに、両手を上に伸ばして喜んでいた。君とならどんな家でも、家なんてなくても生きていける。僕はそう思う。
ある晴れた日の昼下がり、僕と君は部屋で1億円の使い道について話していた。
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