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美味しいものたくさん食べようか
「あ、1億円で美味しいものたくさん食べようよ」
「え、なんでまた」
僕は君の意見に少し戸惑った。
「だってあなたいつも帰り遅いからコンビニ弁当ばっかりじゃん。たまの休みもラーメンとか出前とかだし、一緒に美味しいもの食べたいなって」
君は僕の生活を心配していた。君は女神だ。僕にとってのファム・ファタールだ。
「好きな食べ物なーに?」
君は僕の顔を覗きこむように見つめて聞いた。このままキスしてやりたかった。
「みそ汁」
「えー?なんかそういうのじゃなくてさ、もっと、こう…あるじゃん!寿司とか焼き肉とかさぁ!」
君は少し大声で訴えるように言い、両手をブンブン上下に振っていた。
「うーん、じゃあウニとかかな」
「えー、私ウニ苦手なんだよね」
「聞いといてなんだよそれ」
また僕らは笑った。
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