きっとその人は

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読んでくれてありがとうございます。 きっとその人は、でした。 私が感じているのは、死ぬのがすごく怖かったから、死ぬのが怖い人がいたら、何か言ってあげたい気持ち。 そんな言葉が見つからなくて、簡単に「消えます」と言ってしまいます。 何かが存在しているのは、やがて消えてなくなるから。存在しているということを、誰も証明できないから。そんな話しかもしれません。 私が消えればあなたは消えるし、あなたが消えれば私は消えるし、その意識からは消えてしまいます。 生きてて、二度と思い出せない記憶が沢山あるように、確かに、消えるものは消えそうだと思うのです。 でも、悲しい意味じゃなくて、失くすとしても、確かに存在してくれることを感じさせる存在があって。 そんな意味で言いたいのだけど、照れくさい感じがして。 次。 詩を書いてると便利な言葉があります。そういう言葉を並べることが今は嫌です。 次。 雨や夜を、それ自体を悲しい、だとか、 暗い、だとか、寂しい、だとか、 「あの雨の日……」とか「あの夜……」とかって表現があまり好きじゃない。 私が雨の日や夜のことを覚えてないから、嘘みたいになるからそう使いたくない。 次。 恋は必ずしなきゃいけないものじゃない。 次。 月は月って名前じゃないと思う。 名前なんかないと思う。 太陽も同じ、名前なんかない。 名前で呼ぶと気まずい気持ちになる。 最後。 本当に心がない人に会ったことはないけど、その人は凄く立派な人だと思う。
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