きっとその人は

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きっとその人は

雨とか 夜とか 恋とか 月とか 心とか 便利な響き 並べてた 僕は 俺は 私は 君は 貴女は すべては 要らない言葉、 すべての人に。 私が消える、確実に。 みんなそう。 だから、言わない暴力がある。 雨は悲しくては降らないし、 夜は夜としてみんなにあるもの、 消えるもの。 いつもあるのに、 覚えてないもの。 恋をしてると、好きなものが増える。 嫌いなものも増える。 だから、恋は足し算みたいで、 引き算みたいで、割り算みたいで、 掛け算みたいで、官能的で。 分かったら、それで済む気持ちになる。 いらない人にはいらない。 月は毎日見上げているのに、 まだその名前を覚えられない。 勝手な名前で呼んでる。 心は、死んでいくもの。 死んでいくけど、なくならないもの。 本当に心がない人には、 会ったことがない。 きっとその人は底知れず優しい。 2019.05.13
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