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人間未満
弱く小さく
息して眠る
儚く咲いて
揺りかご揺れる
血の色ならば赤色だ
肌は未だに傷口知らない
お日様に訊く
要らない命はありません
お日様のせいで死にません
月に尋ねる
恋しい命は死にません
月があるから変わりません
恋をしました
忘却の炉に
消えてく恋を
まるですべてと
信じて眠る
恋をするのは生きることだよ
でも君の口から
軽々しく
生きるとは何か
聞きたくないんだ
君は人からもらった自由で
好き勝手に恋をし
好き勝手に期待して
泣いて腫らして癒やされて
幻にさえ
居場所を求める
ねぇ、生きるのは
そんなに楽しくないでしょう
ねぇ、眠るのは
そんなに哀しくないでしょう
君は生きてないから
君は死ぬことが出来ないから
ずっとこれまで
目覚めてないから
優しさも
涙も
愛すらも
風に流され
虚しくなるだけ
そのまま死んで
消えてしまうの?
そのまま生きて
意味などあるの?
私は未だこのままだ
目を覚まさなきゃだめなんだ
人に産まれて果てるなら
言い訳はもう捨てていけ
君はまだ
落ちぶれた等と言うにも早い
人間未満。
2019.05.17
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