プロローグ
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雪のようにひらひらと舞い落ちるのは、うっすらとピンクに色づいた花びらだった。 小さな貝殻のような形をした花びらが、今でも胸に貼りついたまま剥がれない。剥がそうとすると貫かれるような痛みとともに心臓まで一緒に持っていかれそうで、慌てて胸にしまい込む。 爽やかな風が額にかかる前髪を持ち上げた。思えばあれが初恋というものだったのかもしれない。
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