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「んん……もう~」
下半身が熱くなり腰がうねる。布一枚、二枚に隔てられたもどかしさを感じたが、逆にこの布があるからこそ甘美な時間を余すことなく味わえるような気もした。
そんなオレを見て真咲の手はさらに激しくなる。下を擦りながら、上は何度もキスをし、舌をからめてくるもんだからもうたまらない。
「んんっ、ああ……ダメだよ」
「何が?」
「下……そんなに触ったら」
「……触ったら?」
じっとりと甘い声を出す真咲。
「んん~もう、わかってるくせに」
「触ったらどうなるの?ほら、言ってみて」
「もおー、うるさいうるさい!」
「ははっ、かわいい」
真咲はオレから唇を離し軽快に笑った。その笑顔が誰よりもかわいい。オレだけが知ってる真咲の笑顔。
「……いつか入れたいな」
真咲が目を細めながら言う。
「真咲が入れる方なの?」
「海斗入れたい?」
「んー、真咲が好きな方でいいよ」
言い終わらないうちに真咲がチュッチュとキスをくれる。
「無理しなくていいんだよ」
「え、だって真咲には好きな方してもらいたいし……」
「何てかわいいこと言うの」
今度はライオンみたいにオレの唇にかぶりついて、舌をからませた。真咲にかわいいと言われると、本当に自分がかわいくなったような気になって顔が熱くなる。オレも獣のようなキスをお見舞いしてやろうと思ったが、またキスを中断される。
「体格的には海斗かな」
「体格だけいえばね。でも体格なんか関係ない。カップルそれぞれ違うと思うから二人で決めればいいんじゃない……たぶん」
「そうだな」
何かを悟ったみたいにふんわりと微笑む真咲。ああ、早くこの人と一つになりたいなあと思った。すぐには無理だろうけど……色々大変そうだし怖いし。でも二人なら大丈夫な気がした。だって一年も待っていた二人だ。
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