理想の彼女

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理想の彼女

学校からの帰宅途中、毎週金曜の夕刻に俺は、図書館に寄る事にしている。 曜日を決めておいたさえ、うっかり本の返却期限を過ぎ、返しそびれてしまう等のミスもない。 この習慣は高校生になった昨年の春頃から、ずっと続いている。 同じ曜日、同じ時間帯に通うようになると、会話などはないものの、自然と見知った顔の人間も出来てくる。 名前も知らないあの子もきっと、今日も俺と同じように、図書館に来る頃だ。 ....そしてそれを柄にもなく心待ちにしているというのが、金曜に図書館に通う、もうひとつの理由。
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