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更にまた、一週間が過ぎた。
図書館に現れた彼女の姿は、そう。
...俺の妄想ドンピシャの、ニット姿だ。
神様、俺の願いを聞き届けてくれて、ありがとうっ!
可愛い、可愛い、名前も知らないあの子。
でも俺は勝手に彼女に運命を感じ、神様に感謝した。
月曜日。
学校で友達にその話をしたら、ソイツは引き気味な感じで言った。
「えー...、何それ。
気持ち悪...。」
その発言に驚き、叫んだ。
「何が、気持ち悪いんだよっ!
妄想するくらい、俺の自由だろうがっ!」
すると彼は、思わぬ言葉を口にした。
「いやいや、お前も確かに気持ち悪いけどさぁ...。
どっちかって言ったら、その女の方ね?
...なんか頭の中読まれてるみたいで、怖くね?」
...言われてみれば。
会う度に俺の理想に近付いていく、あの子。
これって本当に、ただの偶然?
その時ちょうど、始業のチャイムが鳴った。
真顔で考え込んでしまった俺に向かい、彼はにんまりと笑って言った。
「まぁでも、漫画や映画じゃあるまいし。
...そうそう超能力者なんてもん、いないよな。
健闘を、祈る!」
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