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そして迎えた、金曜日。
友達との会話などすっかり忘れていた俺は、図書館に現れた彼女を背に、脳内でまたしても妄想を膨らませた。
今日も可愛いな、畜生っ!
...これで萌え袖なんかされて、上目遣いで見上げでもされようもんなら、きゅん死するわっ!
その時だった。
...彼女はスッと袖の中に小さなてのひらをおさめ、更にはこちら側を振り向いて、ほんのり頬を染めて俺の顔を見上げた。
...えっ?
...嘘だろ、マジか。
頭の中で、友達とのあのやり取りが自動で再生された。
『えー....、何それ。
気持ち悪...。』
『何が、気持ち悪いんだよっ!
妄想するくらい、俺の自由だろうがっ!』
『いやいや、お前も確かに気持ち悪いけどさぁ...、その女の方ね?
...なんか頭の中読まれてるみたいで、怖くね?』
これっていわゆる、千里眼とかそういう類いのヤツなんだろうか?
...俺の頭の中、本当にずっと覗かれてた?
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