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「ハッ」
剛志は目が覚めた。夢だったのだ。
剛志の額には汗がダラダラ流れていて喉もカラカラだ。
今日は日曜日。今日は麻里とスカイプ通話の日だ。剛志は今朝の夢のことが頭から離れない。
時間は刻一刻と過ぎ、気がつけば麻里とスカイプが繋がっていた。
「今週はね、すっごく可愛いインテリアがあって…」
麻里はいつものように話始めた。
一方、剛志は 実際にデートがしたい の一言だけ麻里に伝えたかった。しかし、実際にはなかなか言い出せずにいた。
剛志はなんどかチャレンジをする。
「一度麻里とじ、じっ、神社に行ってみたいな」
「神社?いいね」
剛志はやはりそんなことは言えず別の話をしてしまった。
麻里は剛志の様子が少し変だと気づいていたもののそのことには触れずにいた。
結局、剛志は本題には入れず一方的に麻里の話を聞いてはそれに対してのコメントや相づちでスカイプ通話は幕を閉じた。
その後、剛志は一人で自分の不甲斐なさを攻め続けていた。
一方、麻里は剛志が元気に生活を送っていることを確認できたため、剛志との関係を絶とうとしていた。
次の日、バイトに来た剛志の横にいつもの裕貴の姿はなかった。今日は風でバイトを休んだらしい。剛志はそれを聞きバイト後、様子見でもいこうかと検討していた。
剛志はプリンと飲み物を自転車の籠にいれ、裕貴の家に向かう。
その通り道、裕貴が彼女と手を繋ぎながら歩いていた。剛志は物陰に隠れ、様子を伺う。
裕貴が彼女と話していた。
剛志の耳にこんな言葉がとびこんできた。
「俺の友達さ、遠距離恋愛してるんだけど…」
「マジで?あり得なくない?」
「それな」
剛志は失望した。唯一、親友だと思っていた裕貴に裏切られた気持ちだった。
剛志はその場から立ち去り、全速力で家へ帰った。
家に帰った剛志は一人で泣き崩れ、決心をした。
絶対に麻里と会ってデートしてやる!と
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