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あれから3年間の交際を経て剛志は麻里に話をもちかけた。
「そろそろ結婚式挙げようよ」
麻里は剛志との本当の関係を切り出せないでいた。
「そ、そうだよね 3年も付き合ってきたもんね」
麻里はどこか素っ気ない表情にみえた。
後日、剛志と麻里は結婚届けを提出し、結婚式の日にちが決まった。
結婚式当日
剛志と麻里、麻里の両親は早く会場入りしてそれぞれの衣装に着替えていた。剛志は着替え終わったら麻里の所に来るように呼ばれていた。
剛志はネクタイを締め髪型もワックスで固め自分なりに決まったところで麻里がいる部屋へ向かった。剛志はノックをしてから入室した
「麻里、話って」
剛志は麻里を見て感動した。美人の一言以外なんの言葉も出てこない。麻里は少し微笑み口を開いた。
「剛志、落ち着いて聞いてね。 私は、私の前世はあなたの母親だったの!! 」
剛志は返す言葉に戸惑った。そして数分間固まってしまった。
「ずっと言おうと、言わなければならないと思っていたの でもなかなか言い出せずに今日の今日まで言えなかった ごめんね」
剛志の心の中では色々な感情が湧き出てくる
『俺の、俺の母さんが嫁になるのか...... 親子が夫婦となるのか。何故、母さんの記憶があるんだ......』
剛志は膝をつき頭を抱えて目には涙を浮かべた。
そんな時、麻里の父が部屋に入ってきた。
「剛志くん、麻里、君たちに言わなければならないことがある」
剛志は半泣きした顔を麻里の父の方に向けた
麻里の父は話を続ける
「剛志くん、麻里が言っていることは事実だ。
私は君の母、良美さんの主治医をしていた。 しかし、どんな治療法を考えても治すことは出来ないことが判明した。 そこで私は無断で『アキリム』を良美さんに投与したんだ」
剛志は荒々しい声で麻里の父に反論した
「アキリムはアキリムは前世の記憶が残ると言われている幻の薬......。噂じゃなかったのかよ!! 」
麻里の父は暗そうに話を続ける。
「しかし、アキリムはスキをすれば効果が消えると言われている。麻里の記憶から良美の記憶が消えると言われているんだ」
麻里は涙が止まらない。
「なんで、なんでアキリムを投与したんですか......。そんなことなら剛志と純粋な恋をしたかった」
麻里の父は何も言わず深く頭を下げた
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