金色の森

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広い公園。 そこの一部に 溢れるばかりの金木犀が咲く場所があって、そこは金木犀の森と呼ばれていた。 何故か空気がヒンヤリしているので 子供たちはあまり近づかなかった。 でもそこは、 私が小学生の頃よく遊んでいた場所。 ひとりっ子だったから両親が帰ってくるまで森で過ごしていた。 10歳の私は周りの子と比べたら、 どうやら大人びていたらしく、 とにかく浮いていた。 なかなか友達が出来ない私は 一人遊びが得意になっていった。 秋になり、 風にのって金木犀の香りが 森からふんわりと漂ってきた頃に 彼と出会った。
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