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忍は忙しい中、暇を見つけては小坂郁子を調べてみた。
現在郁子の施設の利用料金は彼女の預金から出ている。
まだまだ十分支払われている金額が残っていた。
郁子が施設に入所してきた経緯を欣二に聞いた。
「郁子さんは彼女の姪だったか遠い親戚に
連れられて来たんだ、旦那や子供には会ってないよ」
入所時の書類から親戚の名前と電話番号を知った。
忍が電話で郁子を連れて来た人を訪ねると
すでに死亡したのだと返事があった。
応対に出た人は若い女性だったが誰も郁子の
事は知らないらしい。
「まあ、そうだろうね、遠い親戚のそれも郁子さんよりも
年上の人が付き添ってたんだから、誰も知らないだろう」
他の男性と結婚して何十年も疎遠になって暮らしていた
郁子にとっては親戚も無くなったらしい。
「旦那さんは?」
「5年くらい前に亡くなったらしいよ、
これは事件だった、商売絡みで仲間うちに殺された
らしい、解決はしていない」
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