第2章 繋がれた糸

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「幸福な昼寝をしたんだ、彼女と」 博人は自慢げに保乃果に言った。 「幸福な昼寝?」 「うん」 「なにそれ」 「だから…要するに、彼女と昼寝した」 「それならそうと言えばいいじゃない。周りくどい言い方しなくても」 「それはそうなんだけどさ」 博人はコーヒーを一口飲んで言った。 「良い言葉だと思わないか?幸福な昼寝って」 「はあ…」 保乃果は呆れたように言った。 「なんだよ、その目は…」 「なまぬるーい目で見てまーす」 「何なんだよ、そのなまぬるい目って」 「生温いは生温いの。要するに、僕の彼女は最高だ!って言いたいんでしょ」 「…否定はしない」 博人は頭を掻いた。 「うーわー、完全な惚気だわ。しかもその回りくどい表現!このリア充め!」 保乃果は博人の肘を小突いた。 「…リア充で何が悪いんだよ」 「はいはい。で?」 「え?」 「何か話したいことがあるんじゃないの?」 「特にない」 「ないんかい!」 保乃果は突っ込みを入れた。 「うん」 「…まあ、いいけど。それはそれで良いことだし。 そういえば、博人の惚気は嫌ってほど聞いてるけど、 彼女についてはあまり知らないなって。どんな娘なの?今更だけど」 保乃果は興味津々に尋ねた。 「ん?ああ、」 「なに笑ってんのよ、気持ち悪い」 「さっきからひどいなあ。いいじゃないか、笑ったって」 「にやけてるー。変態」 「うるさいな。僕はそんな変態じゃない」 「ふーん?」 「だから、何なんだよ、その目は」 「なまぬるい視線で見てまーす」 「あのなあ、」 「早く聞かせてよ。それほどまでにベタ惚れな彼女について」 保乃果が言った。 「いいんだな?長くなるぞ」 「それは覚悟の上。はやく~」 「はいはい。急かすなよ」 博人は、彼女について語りだした。
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