キラキラ

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それは、ぴったり200秒の動画だった。 知らない間に録画してしまっていたらしい。映っているのは白くぼやけた天井だけ。 何でもない会話をする、わたし達。 なのに……涙が出た。 どうしてだろう。 こんな何てことない時間が、幸せで仕方なかったはずなのに。 「うるせーな。そんなに文句あんなら別れりゃいいだろ?」 「はい、そうさせてもらいます」 「あっそ。じゃあね」 どこで歯車が狂ってしまったのだろう。 震える指で、もう一度、再生ボタンを押す。 『キラキラ光るからじゃない?』 『光る? ウロコ?』 『うん。金色に見えるよね。たまに』 『あー、一瞬ね』 二人で過ごした2年半のうちの、たった200秒。もう二度と戻れない、一瞬。 それは、一瞬金色に光る金魚のウロコのように、確かにキラキラと輝いて見えて。 わたしはまるで子供みたいに泣きじゃくりながら、【削除】ボタンを押した。 ~END~
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