最強SP岡田以蔵

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最強SP岡田以蔵

   そんな話しの流れになり、一行は店を出て、土佐藩士が馴染みにしている旅籠を目指し寺町通りを歩き出した。    その時、路地の影から三人の男がヌッと飛び出してきて。 「幕臣勝海舟先生ですね!」 「確かに俺がその海舟だが」  闇の中に閃光が奔る。三人の刺客が一気に刀を抜いたのだ。 「おぉっといけねぇ」  海舟はよろけながらも後ずさりした。  それと同時に海舟の目の前を黒い人影が塞いだ。  塞いだと同時に「ギャァ」という短い悲鳴。 海舟がその方向を見たときには既に、刺客のうちの一人が袈裟斬りで真っ二つになり、路上に斃れていた。 「この弱虫どもめが!何をするかぁ!」  あまりの早業と、強烈な大声に残りの刺客は逃げていってしまった。 「先生、お怪我は・・・」  以蔵の反っ歯(出っ歯)を間近に見て、海舟はただ頷くしかできなかった。    寺町通りの一件から、周囲の強い進めや、坂本龍馬からの推薦もあり、以蔵は海舟の護衛役を務めることとなる。  土佐勤王党に席のある以蔵からしてみれば、倒すべき幕府の役人の護衛に着くなどあってはならない事なのであるが、以蔵自身に強い思想があった訳でもなく、むしろ政治など興味の外にあった。  
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