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コイツを拾ったのは、雨の降る肌寒い朝の事だった。シャッとカーテンを開けると、迷い込んだコイツが庭にいた。
「コケ……」
弱々しく鳴いたその声に負けて、俺はコイツの世話をしてやる事にした。
世話をしてやると言っても、じきに飼い主が現れると思っていた。しかしどんなに探しても、コイツを探しているというポスターは見当たらない。
いつの間にかコイツも懐いてしまったし、俺も愛着が湧いてしまったので、本格的に飼う事にした。
名前は、雨の日に拾ったので “アメ” である。
そんなアメがあの朝、黄金の卵を産んだ。
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