俺と黄金の卵

2/7
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
 コイツを拾ったのは、雨の降る肌寒い朝の事だった。シャッとカーテンを開けると、迷い込んだコイツが庭にいた。 「コケ……」  弱々しく鳴いたその声に負けて、俺はコイツの世話をしてやる事にした。  世話をしてやると言っても、じきに飼い主が現れると思っていた。しかしどんなに探しても、コイツを探しているというポスターは見当たらない。  いつの間にかコイツも懐いてしまったし、俺も愛着が湧いてしまったので、本格的に飼う事にした。  名前は、雨の日に拾ったので “アメ” である。  そんなアメがあの朝、黄金の卵を産んだ。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!