俺と黄金の卵

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 自慢気に鳴くアメを他所に、俺は茫然と立ち尽くす。 「何で……? 何でそんな事が出来るようになったんだお前」 「コケー!」  卵を鑑定士の元へ持っていくと、確かに金塊だった。換算すれば、一つで数百万だそうだ。 「……うぉっほ!」  思わず笑ってしまった。一つ数百万? やっべーなおい!  これから何しよう! 旅行に行くか? 車も買おうかな? ああ、何でも出来るじゃんかよ!  卵の一つを売ったその(かね)を手に、俺は自分の家で舞い踊った。  こんな奇跡は二度と起きないだろう。この(かね)は大事に大事に、有意義に使おう。  ところがその次の日、何とアメは、またもあの卵を産んだのだ。
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