ROOM.No.666

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 家に帰ると、猫が悪魔を追い回していた。  悪魔は真っ黒な翼を不器用にばたつかせ、懸命に爪の襲撃から逃れていたが、突然の灯りに驚いて、床でのびてしまった。  毛を逆立たせ、目をまん丸にした猫をなだめつつ、僕は悪魔に言ってやった。 「なんて情けない奴だ。それで悪魔が勤まるのかい」  失神から覚めた悪魔は怒って叫んだ。 「バカにして! 今にあんたを堕落させてやるんだから!」
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