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そういうわけで、悪魔も掃除に加担してくれた。
悪魔は掃除機がけを好んだ。モーター音が猫を寄せ付けないからだ。
飾り棚の埃を払っている時、伏せたままにしていた家族写真が目にとまった。
「どうしたの?」
「明日、実家に帰るよ」
実家に帰れば、こんな面倒な掃除などしなくてすむ。黙っていても飯が三食出る。洗濯も任せっきりだ。これ以上の堕落はあるまい。
意気込む俺に反して、悪魔は静かだった。
「そっか。猫はどうするの?」
「ゲージに入れて連れてくよ」
「よかった。そいつ嫌いだもん」
「なんだ、留守番か?」
「まーね」
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