ROOM.No.666

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 その日は終日、惰眠を貪ってしまった。  これも一種の堕落だろう。なんだか悪魔に屈したようで悔しいが、なにしろ働き詰めだったのだ。猫の餌やりだけで精一杯だ。  壁の飾り棚にはなるべく目を向けない。埃を被ったロードバイク用のヘルメットや伏せた家族写真が、嫌でも目にとまるからだ。
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