ROOM.No.666

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 退職を申し出た時、予想に反して上司は引き止めにかかった。  続けてもらわないと困る、人手不足で倒産する会社が多いのを知らないのか、うちも他人事ではない、云々。  そんな上司に、僕はただ頭を下げ続けた。  正しき堕落者──おかしな言葉だ──なら、高らかに嘲り笑うべき場面だろう。  悪魔もそれを望んでいたに違いない。
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