第1話~仮面舞踏会~

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ここに来たのは失敗だったかしら… 踊る相手がいない私は ただ、ダンスホールのはじっこで シャンパンをゆっくりと呑み 踊る男女を見つめるのみ。 そこへ、両手を後ろに歩いてくる 黒い羽飾りがついた仮面をした長身の男… よくみると銀髪だ…もしかして、この殿方が!? 彼はこちらに気づいてゆっくり近づいてきて 私は慌ててグラスを テーブルに置き、英国流の挨拶をする… 顔をあげると彼もまた、自らの胸に片手をあてがい 足を軽く交差させて英国流の挨拶を返してくれた! 仮面の男性 「お嬢さん…わたしと、踊りませんか?」 手を差し出され、碧瞳に見つめられて… 私は自然とその手をとっていた。 鄙由 ヒナヨリ 「ぁ…!」 すぐに抱き寄せられて ワルツを踊り始める彼… 私は躍り方を知らなくて おぼつかない足取りになる。 仮面の男性 「大丈夫ですよ、お嬢さん… わたしに身をゆだねてください。」 自分の足元を見つめていたけど腰をグイッと 抱き寄せられて顔が強制的に上を向く! 鄙由 ヒナヨリ 「あ、あの…//」 体が密着して男性用の香水だろうか 爽やかないい香りが鼻をくすぐってきた。
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