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妖怪感染!? その1
バン!
来生家の玄関のドアが音高く開いて、
「ナンだナンだ?」
と振り返る秋哉の目の前を、
「てめえら、そこを動くんじゃねーぞ」
すっぽりと頭から上着で覆い、顔を隠した人物を夏樹が抱えながら駆け込んできた。
「夏兄?」
どんな時も余裕綽々で、ニヒルな笑みを絶やさない夏樹の必死の形相に、冬依も思わず注目する。
「今のって……」
疑わしげに、
「夏兄と春兄だった、よね?」
顔は見えなかったが、夏樹が抱えて入ってきた以上、そうとしか考えられない。
それにふたりが閉じこもったのは、春一の部屋だ。
でもなぜ、春一が弟たちから顔を隠さなくてはならないのだろう。
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