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秋哉は地団駄を踏んで悔しがりながら、
「じゃなくて、なんでオレがいないときに、料理教室なんかやってんのかって聞いてんの!」
「だって夏樹さんが誘ってくれたのよ。冬依くんも帰ってるから、ちょうどいいだろうって」
「ねー」
なんて言いながら微笑み合うカズエや夏樹や冬依を見ると、イライラしてたまらない。
秋哉は、
「誘われたからって、簡単に男の家に行ってんじゃねーよ!」
八つ当たりのように怒鳴った。
「え?」
カズエはキョトンとした顔をする。
「だってアキの家だよ」
「オレの家でもオレはそこにいねーだろーが!」
「いないことぐらい知ってるわよ」
それが何か? と首を傾げるカズエに、
「オレがいねーのに、オレの家に行くんじゃねーって言ってんだよ!」
もどかしさのあまり髪をかきむしる秋哉の前に、ふいと夏樹が割って入ってきた。
「うるせーぞアキ。あんまり喚くとコレ切っちまうぞ」
今にも通話をオフにしようと手を伸ばしてくるので、
「待て待て待て待て!」
秋哉は慌てて止める。
「切るな。切るんじゃねーぞナツキ」
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