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しかし、
「てめぇ舐めたこと言ってんじゃねーぞ」
「何だってんだよ、お前はよー」
いきなりの夏樹の乱入に、当然チームの男たちが黙っているはずもなく、ガソリンをぶっかけられた火のようにいきり立っている。
「のこのこやって来やがって、ここから無事に帰れると思ってんじゃねーぞテメェ」
拳を固めて殴りかかってきた!
「ひゃあっ!」
一緒にいたさくらは悲鳴をあげたが、潤は平気だ。
夏樹に任せておけば、何も心配はいらない。
夏樹はさくらの腕を掴んで自分の元に引き寄せると、潤の肩も抱えたままヒョイッと男の拳を避ける。
それから、
「ああもう、めんどくせぇな」
潤を相手にする時とは違う乱暴な口調で、
「おい!」
ドアの外に呼びかけた。
するとドアが開いて、たちまち入ってくる何人もの派手な男たち。
「えっ、えっ……」
潤やさくらもびっくりしたが、チームの男たちも混乱した様子だ。
「おい、見張りはどうしたんだよ」
「いったい誰だ、てめーら」
しかし一番戸惑っていたのはリーダー格だった志島で、
「え、あれ? 前山さん!」
どうやら乱入してきた男たちの中に、顔見知りがいたらしい。
前山と呼ばれた男は志島の前に歩み出ると、
「お前、バカやりやがって」
言うが早いか拳を振り上げ、
――バキッ!
志島をひどく殴り飛ばした。
それから前山は夏樹に向き直り、その前に膝をつく。
「ナツキさんスンマセン。後の始末はどうかオレらに任せてください」
深々と頭を垂れた。
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