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鈴音のあげた悲鳴で周りから無用な注目を集めてしまって、春一は照れ笑いしながら平気だと手を振ってみせる。
春一のアピールに安心したのか、また三々五々に散っていく見物人たち。
ひとり座り込んでいた鈴音には、近くにいた男性が手を貸してくれた。
腰を抜かした自分を恥ずかしく思って何とか立ち上がると、春一も、すぐに寄ってきてくれる。
「鈴音、怪我はないか?」
鈴音はうなずく。
春一のお陰で尻餅をついただけで済んだ。
しかしそんな春一の方が、
「春さん、春さんの方が怪我してますっ」
左肘のところから血を流している。
傷の手当てのために、一旦家に戻ることにした。
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