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――!
鈴音は目を覚まして、ハッとベッドから身を起こした。
心臓がひどく大きく、ドキドキと鳴っている。
ベッドサイドの時計を見れば、午前3時だ。
まだ真夜中と言っていい時間。
すると、
「どうした?」
ふと隣で目を覚ます気配。
鈴音は
「あ、ごめんなさい。起こしましたね。
――春さん」
鈴音の声に異変を感じたのか、春一も体を起こしてきて、
「どうしたんだ鈴音」
そっと指先を頬に滑らせる。
「泣いてるぞ」
「え?」
自分が泣いていたことに、初めて気がついた。
「え? あれ? どうしたんだろう」
ホロホロ、ホロホロと涙が落ちる。
春一は、
「怖い夢でも見たのか?」
涙を拭ってくれながら、心配そうに尋ねてくれる。
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