秋哉 一回目の――

1/7
96人が本棚に入れています
本棚に追加
/228ページ

秋哉 一回目の――

「まーちーがーえーたー!」 秋哉の頭の中は真っ白になった。 真っ白になって心臓が一回だけ『ドクン!』と鳴り、そして呼吸まで止まる。 「あ、秋哉……」 恐る恐る声をかけてくるのは春一。 「俺は何も聞いていなかったぞ。……うん、聞いていない」 慰めるつもりだろうが、すべてが逆効果。 秋哉はその場にバッとしゃがみ込むと、 「……オレもう、死にたい」 そのまま地面にめり込んでしまいそうな勢いである。 「うわっ秋哉。気をしっかり持て。大丈夫だ、きっと大丈夫だから」
/228ページ

最初のコメントを投稿しよう!