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秋哉 一回目の――
「まーちーがーえーたー!」
秋哉の頭の中は真っ白になった。
真っ白になって心臓が一回だけ『ドクン!』と鳴り、そして呼吸まで止まる。
「あ、秋哉……」
恐る恐る声をかけてくるのは春一。
「俺は何も聞いていなかったぞ。……うん、聞いていない」
慰めるつもりだろうが、すべてが逆効果。
秋哉はその場にバッとしゃがみ込むと、
「……オレもう、死にたい」
そのまま地面にめり込んでしまいそうな勢いである。
「うわっ秋哉。気をしっかり持て。大丈夫だ、きっと大丈夫だから」
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