雨の日に仔犬を拾わせてみた(まだ4兄弟が同居していた頃の話)

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なんとか秋哉を川の中から引き上げた頃には、カズエもスカートにかまわず地面に座り込んでしまう。 全身ずぶ濡れてドロドロで、もうどうだって良くなっている。 「もう! アキってば信じられない!」 まだ心臓がドクドクいってる。 「ホントにホントに信じられない!」 怒りながらカズエは涙が止められないのだが、ぐしょ濡れのせいで、どうやら秋哉には伝わってないようだ。 「ごめんてばカズ、そんな怒鳴んなって」 秋哉は呑気に言って、 「あいつ大丈夫かなぁ」 仔犬が消えた草むらを、つま先立ちで見送っていた。 ――冒頭、冬依に戻る
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