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いつもと変わらない朝だった。
なのに彼が突然、いつもとはだいぶ違うアクションを起こしてきた。
『なにこれ?』
『大学ノート』
『うん、それは見たら分かるよ』
『あとで読んで』
『今じゃダメなの?』
『恥ずかしいから僕のいない時に読んで』
俯きながら少し長めの黒い前髪で目元を隠した彼と、そんな会話をしこの謎のノートを手にしたのは今日の朝のことである。
6時に起床し、いつも通りキッチンで朝ご飯の用意をしていればなにやら真剣な表情でこのノートを手にした彼が背後に立っていた。
いったい何事かと跳ねた私の心臓などお構い無しとでもいうようにじっと見つめられて、恐怖すら感じた。
もしかして、最近の私のイライラとした態度に彼が嫌気でもさしたのだろうか。それは私が悪い。
でも、たとえそうであったとしても今日でなくてもいいのに。
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