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璃子が落ち着いてくると
雅人がやっと口を開いた。
雅人「璃子ちゃん、正直に答えてくれる??」
その言葉に観念した璃子は
正直に全てを話そうと心を決めてコクンと頷いた。
雅人「紘人に会ったんだよね。」
璃子「・・・・・はい」
雅人「はぁ~・・・・・そっか、やっぱり・・・・・」
ズキッ
雅人の声に璃子の胸が痛んだ。
2人で逢ったことを言わずにいたのは
紘人にああいわれたこともあったけど
雅人に要らぬ心配を掛けたくなかったからだ。
それが裏目に出てしまった。
雅人「璃子ちゃんを疑ってるわけじゃないんだ。ただ・・・・紘人は・・・・」
璃子「???」
雅人はそこで止めた。
まるでその先は璃子に聞かせたくないようだった。
雅人「もしかして・・・・好きだって言われた??」
璃子「・・・・・」
雅人「正直に話して?何も怖がらなくていいから・・・・」
璃子は言葉で言う代わりに頷いて見せた。
雅人「・・・・・・」
雅人はその璃子を見て
「やっぱり」と思ってしまった。
今まで嫌がらせのように
自分の彼女や好きな人を
たぶらかしてはは弄んできた紘人が
今度は柄にもなくキスをしたり
自分から構おうとしていた。
その理由が今ハッキリとしたのだ。
雅人『ヒロは本気なんだ』
雅人は紘人が遊びでそうしたのじゃないと
璃子に伝えようか迷っていた。
それは璃子にとっては残酷なことで
凄く辛い試練でもあり
雅人にとっては璃子を失うことになるかもしれない。
雅人「ヒロはこれまで、俺の彼女になった子や仲のいい女の子たちに何度も自分から近づいてきた・・・・・。中にはヒロに乗り換えようとした子もいたりして・・・・・」
正直、璃子はこの時紘人を酷い人だと
思うしかなった。
雅人に対するライバル心なんだと・・・・。
雅人「でもね、ヒロはその子たちをこっぴどく振っていた。何故だかわかる??」
璃子は首を横に振った。
そんな璃子の涙を雅人は親指で拭いながら
凄く優しい顔をして話す。
雅人「先に近づいたのはヒロじゃなかったんだ。」
璃子「????」
雅人「彼女たちはみんな、俺に好意があると見せかけてヒロにも近づいていた。まあ、どっちかが手に入ればよかったんだろうな。」
苦笑いする雅人。
雅人「ヒロはそれを知ってたんだ。けど、ヒロを責める俺にアイツは本当のことを言ってくれなかった。自分だけが悪者になって俺を守ろうとしてくれたんだ。」
璃子「そんな・・・・・」
雅人「でも、璃子ちゃんに対してはこれまでと違う。アイツは今まで自分からキスしたことも、ましてや触れたことさえなかった。」
!!!!
璃子『雅人さん・・・・・そんな話聞きたくないよ・・・・・』
。
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