Twins~隠し事~

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~ 2年前 ~ 璃子『やっば・・・・講義間に合わなくなっちゃう!』 駅の中を早歩きで歩いていた まだ大学生の璃子は 角を曲がってくる紘人に気付かず おもいっきりぶつかって尻もちをついてしまった。 ダンッ!! 璃子「った・・・・」 紘人「ちゃんと前見てあるけ・・・・って、大丈夫か?」 あまりにすごい尻もちをついた璃子に 紘人は驚いて怒るのをやめてしまった。 璃子「すみません・・・・私が見てなかったから・・・・・」 紘人「や、いいけど・・・・立てる?」 璃子「あーー!!ホントすみません!!大丈夫ですか??ケガしてないですか??」 璃子の方が派手に転んだはずなのに 紘人が異常に心配されていた。 紘人『なんだ?コイツ(笑)』 変な奴だと半笑いの紘人が手を伸ばすと 璃子はニコッと笑ってその手を重ねた。 璃子の手がとても柔らかく 優しく掴んでないと ケガをさせてしまいそうなくらいだった。 璃子「ありがとうございます」 交わした言葉はそれだけなのに 何故か彼女が気になった紘人は いつの間にか璃子を探すようになった。 紘人『アイツ、ホントぼーっとしてるよな(笑)』 立ったまま眠ってしまいそうな璃子を クスクス笑いながら見たり いつもギリギリで駆け込んでくるのを ハラハラしながら待っていたり。 学生の頃のように 胸を高鳴らせていた。 そんな紘人はいつかまた話しかけたいと 常々思っていた。 けれど時間が経つにつれ璃子は 紘人の顔を忘れてしまったのか 近くに立っていても気づかない。 紘人『忘れてんじゃねーか?これじゃ話しかけてもナンパと思われちゃうんじゃ・・・・・』 そうしてまた話しかけることができないまま 璃子が痴漢にあっているのに気付いてしまった。 正直、痴漢をその場でぶんなぐって やりたいと思っていた紘人だったが 自分に気付かない璃子にショックを受けて あんな風に嫌味を言ってしまったのだ。 。
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