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璃子はその日のうちに雅人に連絡を入れた。
紘人の連絡先は知らないので
雅人に伝言を頼む形になってしまったのだが
彼はそれを少しも嫌がらず引き受けてくれた。
~
そして約束の日。
雅人と紘人は渋々2人揃って
車で璃子のアパートへと向かっている。
運転手は雅人。
紘人は不機嫌そうに助手席に座り
窓の外を見つめていた。
雅人「ねえヒロ、ひとつ聞いてもいい??」
紘人「なんだよ?」
雅人「璃子ちゃんのこと、本気で好きなの??」
紘人「なに、その質問??」
運転していることが幸いして
雅人は紘人の表情を見ることなく話せた。
紘人もまた雅人の方へ振り向こうとはしない。
紘人「雅人には悪いけど、俺、あいつのこと本気だから・・・・・」
雅人「そうか・・・・それならいいんだ。」
紘人「アイツにはちゃんと伝えてある。」
雅人「・・・・うん」
璃子のアパートへ向かう車中、
それ以上2人が言葉を交わすことはなかった。
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