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Twins~縮まる距離~
ガタン・・・・ガタン・・・・・
璃子『うう~早くおりたい‥‥』
月曜日の通勤ラッシュの電車は
ものすごい混みようで
背の低い璃子にとっては地獄の時間帯だった。
璃子『!!!!』
サワサワと以前にも感じたイヤな感覚。
璃子『また痴漢!?』
触られた場所からゾワゾワと気持ち悪さが広がり
同時に怒りも湧いてくる。
今度こそ自分で捕まえてやると
意気込んでいた璃子。そこへ・・・・・。
「よお」
Σ( ̄□ ̄|||)
璃子「紘人さん・・・・・」
雅人の弟・紘人に遭遇。
先日のキス事件以来
璃子は雅人と同居する紘人を避けるために
マンションへは行かないようにしていたのに・・・・。
璃子にとっては正直会いたくない人物だった。
けれど紘人の登場で痴漢は逃げてしまったようで
そこについては少しだけ感謝した。
璃子『でもどうして紘人さんがこの電車に?』
この電車は会社の向こう側にある
雅人のマンション近くへ向かうもので
出勤ではなさそう・・・・。
璃子が不思議そうに紘人を見つめると・・・・
紘人「・・・・・彼女の家から帰るとこ」
( ̄▽ ̄;)ソウデスカ
璃子「お仕事は?お休みなんですか?」
紘人「いや、一度帰ってから行くよ。」
璃子「そうなんですね・・・・」
雅人の弟という手前、
どういう対応をすればいいのか
璃子は戸惑っていた。
本来なら自分と雅人の仲を拗らせようとしているこの人に
怒りの感情だけで接するはずが
そう言うわけにもいかない。
紘人とそんな他愛のない話をしていると
何もしなかった痴漢が再び動き出した。
璃子「!!!!」
ビクッと身体を震わせてしまう璃子に
紘人はすぐに気が付いて耳打ちした。
紘人「どうしてほしい?」
璃子「はい??」
紘人「あんた、助けられんの迷惑なんだろ?(笑)」
その言葉を聞いて
璃子はあの時助けてくれたのが
紘人だったのだと確信した。
。
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