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Twins~芽生え~
璃子「宮野さん、すみません・・・・ここなんですが・・・・」
また怒られてしまうのではないかと
璃子はビクビクしながら
杏子に書類の確認をしてもらう。
もう何度も繰り返されたダメ出しが
すっかりトラウマになっている璃子にとって
この時間は緊張して胃が変になる。
杏子「ん~・・・・いいんじゃない?よくできてるわ。」
璃子「へ?」
何度も何度もダメと言われ続けていたので
この返答がくるとは
全く予想していなかった璃子。
杏子「何?やり直したい?」
璃子「いえいえいえいえ・・・・・」
杏子「ふふ(笑)お疲れ様!さ、これが済んだら飲み会よ~!!」
璃子「宮野さんも参加されるんですか?」
杏子「当たり前よ!!あなたの担当なんだから!!」
璃子「ありがとうございます!!」
実はこの日、璃子たち新入社員の歓迎会を
部署で設けてくれることになっていたので
残業するわけにはいかなかったのだ。
この数時間前のお昼時間には
同期の男性2人から 「宮野さんは参加するのか??」と
すごい勢いで聞かれていて
「わからない」と答えると
またもや怖いくらいの勢いで
確認するように言われていた。
杏子「杏子でいいわよ♡」
璃子「え?」
杏子「宮野さんなんて堅苦しいじゃない」
璃子「それって・・・・・」
杏子「可愛い後輩だもの♡特別♡」
璃子「杏子さーーーん。゜゚(>ヘ<)゚ ゜。ビエェーン」
鬼とか思ってごめんなさい←
社員「梶浦さん、これ確認お願いします」
梶浦「ああ、いいよ」
杏子と話しているちょうどその時、
男性社員が梶浦課長に
話しかけている声が聞こえて
璃子はついそちらに気を取られてしまった。
書類に目を通した梶浦が何か言うと
男性社員は慌てていた。
それをフォローするように 彼の背中を叩いて笑う梶浦。
きっと励ましているんだろう。
落ちこんだ男性社員を何気にサポートする梶浦。
そのサポートもあって
男性社員のミスはすぐに訂正されたようだ。
杏子「梶浦に言われると不思議とやらなきゃって気持ちになるのよね・・・・。」
璃子「わかります・・・・それ・・・・」
璃子は少しずつ梶浦に憧れを抱くようになっていた。
彼の優しさや仕事のできる姿を見て
好きにならない人がいるのかと
疑問に思うほど。
最初はただの憧れだったが
彼の様子を見るたびに
少しずつ惹かれていく璃子なのでした。
。
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