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 ひとふりの、大振りのナイフの前で立ちすくんだ。  ナイフに向かう時、私と私以外との境界は鮮明になる。  私の表面を、私を、やすやすと切り裂いて入ってきてしまうであろう刃と対峙しながら、私は事物の輪郭があまりにくっきりとしている世界の肌触りに驚いていた。   6e0b0583-48a0-4cec-bb40-e7447c5dfbf4
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